11/10 Excellent Care Company Conference 2023 開催
2023年3月、経済産業省が発表したあるデータが話題を呼びました。
「2030年、仕事をしながら介護をする“ビジネスケアラー”は家族介護者全体の4割を占める318万人に達し、ビジネスケアラーの離職や労働生産性低下による経済損失は9兆円を超えるー」。
仕事と介護をいかに両立させるかは、企業、国、そして働く私たち一人ひとりにとって、いよいよ他人事とはいえない問題となってきました。
本カンファレンスでは、“ビジネスケアラー”問題に本気で向き合う大手企業が参加するECC Lab.(Excellent Care Company Lab)による「ビジネスケアラー問題をグッと身近に引き寄せる3つのアイデア」の発表や経済産業省担当課長補佐 水口怜斉氏をお招きし、「ビジネスケアラー問題の現状と未来」を徹底解説してもらうなど、ビジネスケアラー問題の最前線に迫っていきます。
【内容】
〇オープニング
ECC Lab.発起人・事務局 株式会社リクシス 佐々木裕子
〇トークセッション
「なぜ今、ビジネスケアラーについて国、企業、社会が語りあうべきなのか」
~国が見据える構造変化とビジネスケアラー政策、ヘルスケアエコシステムの未来~
登壇:経済産業省ヘルスケア産業課課長補佐 水口怜斉様
ECC Lab.発起人・事務局 佐々木裕子
〇トークセッション・ECC Lab.第2期成果発表
ビジネスケアラーにまつわる「今」と「これから」を徹底議論した1年
はじめに:Excellent Care Company Lab.第2期が生み出したもの
佐々木裕子(株式会社リクシス)、
小国士朗(小国士朗事務所)、
大嶋寧子(リクルートワークス研究所)
発表:すべての企業に広げたい、「皆でここから始める実践アクション」
― これからの「新常識」をつくる
ビジネスケアラーをめぐり、今現場の最前線で起きている3つの大きな変革の試み。
新常識を支えるこれらの取り組みについて。
ビジネスケアラーをめぐり、今現場の最前線で起きている3つの大きな変革の試み。
新常識を支えるこれらの取り組みについて、Excellent Care Company Lab.第2期で開催された3つの分科会の各座長がご紹介いたします。
第一分科会
前提を変えよう。「他人ゴト」から「自分ゴト」へ
誰もが当事者になり得る時代、すべての人に「今」こそ知ってもらう工夫とは
座長 株式会社三井住友フィナンシャルグループ人事部ダイバーシティ推進室 室長 河渕千紗様
第二分科会
「思い込みによるすれ違い」から「対話によるキャリアと介護のありたい姿の共有」へ
~介護フェーズを踏まえた対話で、やりがいあるキャリアとの両立の実現~
座長 中外製薬株式会社人事部ダイバーシティ推進室 室長 佐藤華英子様
第三分科会
「個人の課題」から「OTAGAISAMA」へ
―これからの新常識をつくる「ロールストーリー」他
座長 ハウス食品グループ本社株式会社ダイバーシティ推進部 加藤淳子様
〇参加型ディスカッション
ご参加の皆様からのご意見もいただき、ビジネスケアラー問題と対策の未来についてともに考えます。
※カンファレンスのアジェンダ、内容は変更する場合がございます。ご了承ください。
■事務局・運営からのコメント ※以下進行順にて掲載
佐々木裕子(株式会社リクシス/代表取締役社長)
<プロフィール>
東京大学 法学部卒業後、日本銀行、マッキンゼー・アンド・カンパニー アソシエイトパートナーを経て、2009年に株式会社チェンジウェーブ創業、2016年株式会社リクシス 創業。「仕事とケアの両立」課題に取り組む業界横断型研究会「Excellent Care Company Lab.」発起人。
〇コメント
世界でもぶっちぎりの最速で、人類史上いまだ誰も経験したことのない超高齢社会にすでに突入している日本。その変化は2000年以降の20年で急激に進み、今後さらに加速する。人口の5人に1人が80代で、生産年齢人口が1000万人規模で足りなくなる時代。ビジネスパーソンは仕事をしながら、家族ケアについても遠隔で、場合によっては複数同時にマネージしていかなければなりません。でも今は、企業も個人も、「もうすぐラスボスが来るのに、皆丸腰で待っている」状態─。ECC Labの皆さんとはこの1年、背景にある様々な現実の「悪循環」にとことん向き合い、どうやったらその悪循環を断ち切れるのか、突破口を見出せるのか、「実践的な一歩」を探求し続けました。本カンファレンスでは、企業横断で力を合わせたからこそたどり着いたその成果を、メンバー企業の皆さん自らの言葉で共有くださいます。ここから、未来を変える変化の波を広げていけたらと、心から願っています。
水口 怜斉(経済産業省 商務・サービスグループ ヘルスケア産業課 課長補佐)
<プロフィール>
長崎県生まれ。東京大学法学部を卒業後、経済産業省に入省。入省後は、スタートアップ支援や起業家育成、2025年大阪・関西万博関連業務、10兆円規模の大学ファンドの立ち上げに従事。現在は、仕事をしながら介護に従事するビジネスケアラーへの支援や、介護を個人の課題からみんなの話題へ転換することを目指す「OPEN CARE PROJECT」、医療の国際展開支援、ヘルスケアスタートアップ支援など、健康・医療・介護分野を横断したヘルスケア領域の政策立案を担当。
また、デザインアプローチの公共領域への実装を目指し、美大生と省庁職員を繋ぐ「美大生×官僚 共創デザインラボ」や、省庁への政策デザイン普及・実装を目指す「JAPAN+Dプロジェクト」の立ち上げに尽力。
◯コメント
「介護は誰にでも発生しうるライブイベントであり、個人に対するインパクトも大きいですが、働き方やライフスタイルが変化していく中で、企業にとってもこれまで以上に向き合っていかねばならない課題だと考えています。経済産業省としても、企業、ひいては日本社会への影響を鑑み、関係省庁と連携し、複数の施策を講じているところですが、ECC Labのような企業の皆様が主体となる取組は、相互のナレッジ共有の場としても、社会に向けたメッセージを発信するものとしても大事な役割を果たされているかと思います。改めて、皆さまとともに、未来を見据えた議論が出来ますことを大変楽しみにしております。」
大嶋寧子(リクルートワークス研究所/主任研究員)
<プロフィール>
東京大学大学院修了後、民間シンクタンク、外務省経済局を経て、現職。東京大学大学院経済学研究科博士課程(経営学)在学中。現在関心のある研究領域は多様な役割を持つ個人のキャリアとマネジメント、リスキリング、創造性を引き出す職場づくり等。所属先では研究プロジェクト「ブランクからのキャリア再開発」、同「十人十色のキャリア選択を可能にする社会」、同「中小企業のリスキング~デジタル時代のスキル再開発~」などでリーダーを務める。著書に『不安家族~働けない転落社会を克服せよ』(日本経済新聞出版社)、『30代の働く地図』(岩波書店、共著)など。
◯コメント
「ECC Lab.では、「どうしたら仕事と介護をより良く両立できるようになるだろうか」という問いに向き合う企業人事が集まり、議論を重ねてきました。第2期となった今年度は、月一度の定例だけでなく、テーマごとに集まった分科会で、何度も集まって「どうしたら」を掘り下げたり、それを持ち寄って話し合ったりと、さらに盛り上がりを見せたことが特徴です。時に拡散する分科会での議論の中かから、企業横断で、本当に大切にしたいものが見えてきたり、他の分科会の議論をみて「なるほど!」と膝を打ったり。私だけでなく、参加した皆さんが、それぞれ視界が広がったり、新たな視点を何か獲得されたりしたのではないかと思っています。そんな議論の結果とアイデアを盛り込み、公表する第2回のカンファレンスに、ぜひ多くの方にお越し頂きたいと思っています。」
小国士朗(株式会社小国士朗事務所/代表取締役・プロデューサー)
<プロフィール>
2003年NHKに入局。「クローズアップ現代」「プロフェッショナル 仕事の流儀」等の番組制作に従事した後、150万ダウンロードを記録したスマホアプリ「プロフェッショナル 私の流儀」の開発、世界150か国に配信された、認知症の人がホールスタッフをつとめる「注文をまちがえる料理店」などのプロジェクトを手掛ける。2018年7月より独立し、みんなの力でがんを治せる病気にするプロジェクト「deleteC」や高齢者が地域のサッカークラブのサポーターになって心身の健康を取り戻す「Be Supporters!」など活動は多岐にわたる。著書に「笑える革命」(光文社)他。
◯コメント
「プロフィールを読んで頂ければわかることですが、僕は人事畑を歩んできた人間でもないし、今は会社員ですらありません。幸い今のところ両親は元気で、「仕事と介護の両立」と言われても正直ピンとこない。「だったら、なんでここにいるんだよ!」と言われるかもしれませんが、「だからこそ、ここにいます」。40代の6割以上がビジネスケアラー予備軍と言われているそうです。そして、僕は今44歳。思い切り予備軍のはずなのに、この自覚のなさよ。でも、僕のような“無自覚の当事者”って割と多いと思うんです。むしろ大多数なんじゃないかとすら思います。だからこそ、僕みたいな人間がここにいて、「え、そんな事実があるの?」とびっくりしてみたり、「そういうアイデアだったら乗っかりたい!」と面白がったりすることには意味があるんじゃないかなと思っています。で、13の企業・団体が参加するECC Lab.ではそういう驚きやワクワクが、本当にいい感じで生まれてくるんですよね。だから、面白い。さあ、今年で2回目となるカンファレンス。僕のような“無自覚の当事者”を自覚するあなた、ぜひ足を運んでみてください!」
第一分科会座長
株式会社三井住友フィナンシャルグループ 人事部
ダイバーシティ推進室 室長
河渕千紗様
◯コメント
「ECC Lab加盟企業のDE&I推進に携わるメンバーと議論を重ねることで、業界の垣根を超えた共通の課題が見えてきました。第一分科会では、ひとり、一企業の枠を超え、必要な情報を広く適切にお届けするきっかけ作りに注力して参りました。様々な舞台で働くビジネスケアラーがますます活躍できる組織づくりの一助になれば幸いです。」
第二分科会座長
中外製薬株式会社 人事部 ダイバーシティ推進室 室長
佐藤華英子様
〇コメント
「仕事と介護を両立しながら、やりがいを持って働きたい」の思いに、私たち分科会は向き合って議論を重ねてきました。この実現に向け、ビジネスケアラーと組織の相互理解を深めるツールを作成しました。多くの企業のみなさまに活用いただくことで、ビジネスケアラーが当たり前に活躍する組織、社会に変わるきっかけの一助に繋がればと願っています。」
第三分科会座長
ハウス食品グループ本社株式会社ダイバーシティ推進部
加藤淳子様
◯コメント
「『新しい「アタリマエ」の組織内の空気はどうしたら創れるか』という難しくも避けて通れないテーマに取り組みました。「仕事と介護の両立」は特別なことではなく、多くの働く人が経験する、もはや「働き方のスタンダード」になっている。確かに介護は大変な面があるけれど、自分にとってかけがえのない、大切な経験という面もある。実例とともに、皆さんと一緒に考えたいと思います。」
(本カンファレンスは終了いたしました)